『塗装できない屋根・外壁』とリフォーム方法
屋根・外壁塗装を検討中の方!
「塗装できない屋根・外壁があること」をご存じですか?
優良な塗装業者であれば、塗装できない屋根・外壁に関して知識があるため、塗装以外のメンテナンス方法を提案してくれます。
しかし、中には知識がなく利益だけを求める「悪徳業者」もいるので注意が必要です。
「塗装をするんじゃなかった!」と失敗してしまう前に『どのような屋根・外壁が塗装できないのか』を一緒に学んでいきましょう。
塗装できない屋根は3つ
最初に「塗装できない屋根」や、塗装の際に注意が必要な屋根についてお伝えしていきます。
大きく分けて3つです。
①2000年前後に製造されたもの ②劣化が重症・広範囲で発生している ③日本瓦(塗装が必要ない) |
家を建てた時の図面や見積書を確認して、屋根材の種類を確認してみましょう。
上記の屋根材に当てはまるのなら、塗装の検討は一度ストップしてください。
塗装できない屋根
①2000年前後に製造されたもの
2000年前後に製造されたものは「耐久性」が低く、2022年時点で寿命を過ぎている可能性があります。
近い将来に葺き替えやカバー工法が必要になるケースが多いため、塗装はおすすめしません。
メーカー | 商品名 |
---|---|
ニチハ | ・パミール |
松下電工 (現:パナソニック) | ・レサス ・エコシンプル ・シルバス ・シンフォニー |
クボタ (現:ケイミュー) | ・コロニアルNEO ・セイバリーNEO ・グリシェイドNEO ・グリシェイドグラッサ |
具体的なメーカーや商品名は、上記の通りです。
建築した際の図面や見積書を確認してみると、メーカーや商品名が記載されているので確認してみましょう。
中には、図面や見積書に記載のある屋根とは、違うものが施工されているケースもあるので、図面などを用意した上で、プロに確認してもらうのがおすすめです。
2000年前後はアスベストが使われなくなった時期
アスベストは、健康被害が確認されたことで、現在では使われなくなったものです。
しかし、1990年前半までは屋根の「耐久性を高める目的」で使われていました。
1990年後半になるとアスベストの使用が中止されたため、耐久性が低い屋根が製造されるようになってしまったのです。
そのため、2000年前後に製造された屋根を使っている場合、寿命が15年程度であることが多く「2022年現在の時点ですでに寿命を迎えている可能性が高い」ということになります。
塗装には耐久性を高める効果はありません。
プロに「使用している屋根」や「屋根の劣化状態」を細かくチェックしてもらい、適切な方法を選択しましょう。
塗装できない屋根
②劣化が重症・広範囲で発生している
屋根に重症である劣化があり、広範囲で発生しているのなら塗装はおすすめできません。
塗装ができないような劣化症状は下記の通りです。
・ひび割れ ・剥がれ ・欠損 ・サビ |
上記の劣化症状が軽症である場合は、部分補修をした後に塗装ができます。
しかし、重症であり、広範囲で発生している場合は、塗装をした後に同様の症状が再発する可能性が高いです。
塗装で対応できない症状は、葺き替えやカバー工法が必要になります。
何度もメンテナンスをするということは、それだけ「費用」もかかってしまうので、塗装をする前にしっかり屋根を点検してもらいましょう。
塗装できない屋根
③日本瓦(塗装が必要ない)
日本瓦は、基本的に塗装によるメンテナンスが必要ありません。
表面に釉薬をつけて高温で焼き上げているので、耐久年数が長く50〜60年もつ瓦です。
釉薬がガラス質となって瓦を守り、いつまでも綺麗な状態を保つことができています。
屋根に塗装をするのは「屋根自体を守る目的」があるので、日本瓦の場合、塗膜の代わりになる釉薬があるので、塗装の必要がないのです。
瓦以外の漆喰や防水シートのメンテナンスは必要になるので、定期的に点検を行い、塗装以外のメンテナンスをしましょう。
セメント瓦、モニエル瓦は塗装必須
セメント瓦やモニエル瓦は、日本瓦とは違い「塗装が必要」です。
セメント瓦 | ・表面に防水塗装がされている ・10年に1回は再塗装が必要 |
モニエル瓦 | ・着色のために塗装がされている ・表面の”スラリー層”を除去してから再塗装する必要がある |
日本瓦とは違い、どちらも現在は生産されない状況にあるため、瓦の交換が難しいです。
既存の瓦を活かしたメンテナンス・リフォームは塗装や漆喰の補修などに限られます。
全体的に割れなどの劣化がある場合は「葺き替え」が必要です。
塗装できない外壁は3つ
塗装ができない外壁や、塗装する際に注意が必要な外壁は次の3つです。
①ジョリパット ②直貼り工法 ③劣化が重症・広範囲で発生している |
使用する塗料に注意しなければならない外壁もあります。
塗装のプロに外壁を点検してもらった上で、使用する塗料やメンテナンス方法について検討していきましょう。
塗装できない外壁
①ジョリパット
ジョリパットは、独特の凹凸が魅力の「アイカ工業」で販売されている外壁材です。
塗装自体ができないわけではないですが、次のことに気をつけましょう。
・透湿性の高い塗料を選ぶ ・ジョリパット専用塗料を選択肢に入れる |
ジョリパットは「壁自体が呼吸をする」ため、弾性塗料などの湿気を通しにくい塗料では「膨れ」や「早期剥離(剥がれ)」が起きる可能性が高いです。
ひび割れがあるサイディングへの塗装で採用される弾性塗料でも、ジョリパットには向きません。
他の外壁とは違う特徴があることを頭に入れて、ジョリパット専用塗料などの適した塗料を選択しましょう。
塗装できない外壁
②直貼り工法
外壁が「直貼り工法」で施工されている場合は、塗装はおすすめできません。
100%塗装ができないわけではないですが、塗装の際はいくつか注意するべきことがあります。
直貼り工法とは? | ・下地合板の上に防水シートを張り、その上に直接サイディングを施工する方法 ・2000年4月に施行された「品確法」をきっかけに通気工法に切り替わった |
直貼り工法の弱点 | ・湿気を逃す「隙間」がない ・腐食やカビの発生がしやすい ・外壁の劣化(割れや剥がれ)が進む |
外壁の内側に湿気がたまるため「塗膜の膨れ」や「外壁の劣化による割れや剥がれ」を起こしやすいです。
塗装をしても、10年も経たないうちに張り替えやカバー工法が必要になることもあります。
直貼りへの塗装は「保証対象外」となることも多いことから、補修を自分の費用で行わなければいけません。
どうしても塗装を選択したいという場合は、信頼できる優良塗装業者としっかり打ち合わせをした上で進めていきましょう。
塗装できない外壁
③劣化が重症・広範囲で発生している
外壁に次のような劣化症状はありませんか?
・ひび割れ ・剥がれ ・欠損 |
塗装で補修ができる軽症なものであればいいのですが、広範囲で症状があったり、ひび割れが大きい・深いなど重症であったりする場合は、塗装はおすすめできません。
塗装の目的は「美観を取り戻すこと」と「外壁材を保護すること」です。
耐久性を戻すことや深いひび割れの修繕の役割はないので、張り替えなどのメンテナンスを検討しましょう。
塗装をする前に「塗装できない屋根・外壁」を確認しましょう
塗装できない屋根・外壁であるかを確認するには、建築図面や見積書の他に「現状の状態」をチェックする必要があります。
本来は塗装できる屋根・外壁であっても、ひび割れや剥がれの状態が重症・広範囲であった場合は、塗装はおすすめできません。
当店では「無料点検」を実施していますので、小田原市にお住まいの方は、お気軽にご相談ください。